2024年1月24日、ぴあアリーナMMにて行われたPEOPLE1史上初となるアリーナ公演2日目【さよなら、ぼくらのパーティーゲーム】へ。
PEOPLE1ワンマンライブ初参戦!
怪我人からすると、自宅からそれほど遠くない距離での開催は非常にありがたかったです。
というのも、クリスマス付近から咳が続いており、そのまま改善することなく年を越し、つい数日前に咳のしすぎで肋骨を骨折、、
そのため激しい動きやジャンプができない状態での参戦となってしまいました。
指定席でなければ参戦を断念せざるをおえなかったので、指定席で本当に助かりました。
また、座席もアリーナの最後列だったためほかの観客の方の邪魔にもならず大人しく観ることができたと思います。
ぴあアリーナへ到着後グッズ購入
桜木町駅に15時過ぎに到着し、徒歩でぴあアリーナへ向かい、開演の30分ほど前に会場に到着。
そのままグッズ売り場へと向かい、これだけは買おうと決めていた『ピ』のキーホルダーと、初ワンマン参戦の記念にとついつい買う予定のなかったタオルにも手を伸ばしてしまいました。
座席に着いたのが開演の10分ほど前、それほど待ちぼうける時間もなく、かなりいいタイムスケジュールで会場入りができました。
しかし、会場内2階に設置されたフォトスポットに立ち寄る時間がなかったことだけは唯一のミスでした。
ぼっち参戦だと写真を撮ることが少なくなりがちなので、こうして記録を残すためにもなるべく写真を撮ろうと決めているのですが、今回はギリギリに着きすぎてしまったようです。反省。
セットは『ガソリンスタンド』
この公演は私にとって新年一発目のライブだった訳ですが、骨折のせいで思い思いに体を動かせなかったことが非常に悔やまれました。
でも、そんなもどかしさも吹き飛ばすくらい、その場の音楽や空間にいつも以上に没頭し、頭を空っぽにしてライブを観ることができました。
前日1月13日には同時進行で行われていた【LOVE2】ツアーファイナルのアリーナ特別公演が行われており、私は未参加でしたが、かなり演出に凝った「エモ」なライブが行われてた模様。
雰囲気もセトリも大きく異なる2つのツアーを同時に行うという試みも、PEOPLE1のブレイン:Deu氏の発想力や想像力の豊かさが存分に発揮されていると言って良いでしょう。
今回のステージセットはDeu氏にとって『日常の象徴』という『ガソリンスタンド』がモチーフ。
日常から飛び出したPEOPLE1の音楽がこうしてアリーナへ届いた意味合いもあるでしょうが、いつまでもPEOPLE1の音楽を聴いている我々の日常に寄り添うという温かいメッセージも込められているのではと思いました。
いよいよ開演!
場内が暗転し、ツアーのアートワークとなっているテレビがモチーフのイラストがスクリーンに映し出されたのが開演予定16:00を3.4分過ぎた頃。
テレビのキャラクターから発せられる拍手や歓声を誘う言葉が次々にスクリーンに映し出され、それに観客が応えます。
そうして壮大なぼくらのパーティーゲームの開幕が告げられました。
メンバーが登場し、お馴染みのサポートメンバー2人はオレンジのつなぎを着ていて、ガソスタ店員を連想させる衣装に身を包んでいます。
1曲目は『新訳:フロップニク』
ボカロのような電子音を組み込んだサウンドから繋がれた『新訳:フロップニク』でスタート。
絶対に聴きたいと思っていた曲のひとつ、『ドキドキする』は3曲目に聴くことができました。
楽曲が配信されたときから虜になっていたこの曲。
やはり緩急のあるメロディに病みつきになる感覚と、PEOPLE1らしい目新しさの中にどこか聴いたことのあるような懐かしさもある曲構成が、ライブだとより際立って感じられました。
4曲目には『エッジワース・カイパーベルト』
4曲目ではまさかの『エッジワース・カイパーベルト』が演奏され、終盤かと思わせる盛り上がりを見せました。(私の中では終盤にやる曲のイメージでした。)
私は腕を上げることができず、タオルを回す動作もできませんでしたが、見渡す限りの人々がタオルをぶん回し、曲に合わせてジャンプしている姿がとても印象に残りました。
CDJではタイテ被りのために、駆け込みでラストにやっていたこの『エッジワース・カイパーベルト』だけを観ることとなりましたが、会場の一体感とこの曲のノリやすさは凄まじいと思いました。
素敵な演出と個性を許容する温かい空間づくり
私はミラーボールの演出が大好きなのですが、本公演でも多用されており、様々な光を反射させ、幻想的な空間を作り上げる舞台演出にうっとりとしながら音楽に酔いしれた時間が幾度もありました。
Deu氏は、ノリ方は自由だが、普段は内気な人もたまにははっちゃけてみたら楽しいかもよ?と個々の楽しみ方を肯定しつつも、この公演タイトルにふさわしくこのパーティーゲームの醍醐味を語り、客席を優しく煽る。
歌姫きのぽっぽが登場!
その後『魔法の歌』『GOLD』とPEOPLE1といえばな楽曲が続き、7曲目『Deadstock』では高校生シンガーソングライターのきのぽっぽがスペシャルゲストとして登場!
Itoさんとの絶妙なハモリとエモーショナルな歌詞、私の大好きなミラーボールによる光の演出が素晴らしかったです。
このライブを通して1番、音楽と空間が作り出す世界観に没入していた感覚がありました。
3人の素直な気持ちが感じられるMC
『新訳:東京』のあとにはMCが挟まれ、メンバー間のゆるりとした穏やかな雰囲気が流れていました。
3人とも前日に行われた【LOVE2】はガチガチのコンセプトと初アリーナにかなり緊張していたようで、今日はそれとは真反対に自由にパーティーゲームを楽しんで欲しいと幾度も言葉に。
【LOVE2】を『エモ』とするならば、この【さよなら、ぼくらのパーティーゲーム】は『ノーエモ』だと表現するDeu氏。
また、作詞作曲やデザイン等を手がけるバンドの要であるDeu氏は、バンドの『チャラさ』をかっこいいと感じていると語り、真面目なバンドが増えているバンド界の流れにあえて逆らう流れを見せる。(他のバンドのことを言うのはやめよう、とおちゃめさも見せつつ。)
Takeuchi氏の激しいドラムソロを披露!
そんなMCから、少し気の抜けるような「ま、肩の力抜けって」の音とドラムのTakeuchi氏の激しいドラムソロが融合したダイナミックな始まりを見せた、『銃の部品』。
アニメチェンソーマンのEDでヒットした『DOGLAND』以前に発売された楽曲ではあるものの、タイトルからも歌詞からもどこかチェンソーマンっぽさを感じる楽曲。
この曲ではPEOPLE1史上初となる顔出しがMV上で行われ、それまでは顔出しやメディア露出の少ないかなりミステリアスなバンドだったPEOPLE1にとって、大きな転換点となった曲であることは間違いないと思います。
なんだか曲調からも歌詞からも、投げやりさと虚無感が漂うようなアングラな雰囲気が私自身とても好きな曲で、初めて生で聴くことがてきて本当に良かった。
12曲目に最新シングル『ハートブレイク・ダンスミュージック』
その後は『Ratpark』『怪獣』と続き、12曲目には最新シングル『ハートブレイク・ダンスミュージック』が披露されました。
この曲も初めて聴いた時から一発で病みつきになりました。曲前のMCでは「ハートブレイクした分ダンスしよう」と、Deu氏らしいポップさと一種の俯瞰的諦めを含んだエールを送る。
きっとDeu氏自身のモットーである頑張りすぎないことや無理しすぎないことを音楽で届けてくれているのだろうと。スクリーンにはピンク色の鼓動のように脈打つハートがメンバーに重なるように映し出されていました。
まさに血肉として我々に流れる音楽がこの場に確かに息づいているし、それぞれが思い思いに踊る場内の熱気は、アリーナ最後列の私には十分すぎるほどに伝わりました。
サポートメンバーによるパフォーマンスからの衣装チェンジ
サポートメンバーの二人が向かい合うようにステージ上で機器を巧みに操作し、ビートが刻まれていく。サポートメンバーという枠を超えているのではないかと思わずにはいられない音のセッションとパフォーマンスに引き込まれ、会場は手拍子に包まれました。
そこにTakeuchi氏のドラムが重なる。いつのまにかTakeuchi氏の髪色は赤に変わっており、メンバーは赤を基調とした衣装にチェンジしていました。
初のアリーナ公演を記念すべきスペシャルな早技が炸裂…ッ!!
自由さを表現する『アイワナビーフリー』
懐かしさと新しさの共存する不思議さの溢れるメロディーと、Deu氏の特徴的で一度聞くと忘れられないがなりぽさのあるクセになる歌声から思わず体が揺れてしまう一曲。
炎が噴き出す演出も行われ、そんな激しさと対照的にも見えるPEOPLE1、Deu氏の代名詞的な椅子に腰かけて気ままにリラックスして歌う姿はまさに『自由』。
そこに重なり、PEOPLE1の醍醐味ともいえるダブルボーカルによってIto氏の優しく溶け込む歌声が全体を包み込む。なんと心地よい空間だろうか。
楽しみ方も感じ方もノリ方もすべては自由であり、千差万別でいいのだと改めて感じさせてくれました。
終盤へ向けて一気に表情を変えるセットリスト
14曲目は最新アルバム[星巡り、君に金星]からアップテンポな『鈴々』が披露され、さらに会場のボルテージがあがりました。
肋骨骨折により飛べない身体であることがこの曲でn回目に悔しく感じられました。(いかに普段のライブで感じるままに体を動かしているかを痛感しました…)
EDMっぽさも感じるような『新訳:スクール‼』ではドラムのTakeuchi氏までもが、花道まで歩みを進め「学校が好きな人~!!」「昔も今も学校が大嫌いな人~!!」などと煽りまくり、興奮から自らのサングラスを叩きつける始末。
曲終わりのMCではエネルギッシュな煽りから疲れを口にしたTakeuchi氏に代わり、Deu氏が床に置きっぱなしとなったサングラスを取りに行く微笑ましい場面もありました。
衣装チェンジとTakeuchi氏の髪色チェンジの話題となり、客席からは「イソギンチャク」と声が上がり、ライブという特別な空間でメンバーと笑い合う時間も。
その後の『closer』ではDeu氏はアコギを手に、観客にシンガロングを促しました。
音楽にのせて一つとなってゆくこの空間も、ライブならではといえるあの生で感じる空気感。
このバンドが積み上げてきた音楽の歴史が作り出した光景だったと言えます。
その次にはItoさんがアコギを手に『僕の心』を紡ぎだしました。
この曲のように人間らしい明暗を感じるPEOPLE1の楽曲の多様さが私はとても好きです。
「わかるわけがない」と繰り返し突き放すようなあきらめを含んだ歌詞とは裏腹にひしひしと伝わる「わかってほしい」「わかり合いたい」と不器用に願う気持ちが滲んでいる気がします。
そんな葛藤や矛盾こそが私たち人間という生き物のありのままを映しているようにも感じました。
このままでは終われない…!
『closer』『僕の心』と感傷的な2曲が並び、エモーショナルな雰囲気が流れる中、Deu氏はメジャーデビューしていることを明かします。(ソニーの傘下に入っているようなイメージ?もしくは協同。)
本当は数公演前から話す予定だったようですが、何度もその機会をスルーしてしまい、このタイミングでのまさかのカミングアウトとなったようでした。
『DOGLAND』がアニメに起用された時点でメジャーデビューはしているのだろうと予想はしていましたが、こんなにも適当に発表するのはまさにメジャーアーティストかどうかを重視していない音楽に対する姿勢を強烈に感じるエピソードになりました。(笑)
PEOPLE1の音楽の方向性はなんら変わらないという強い軸を感じました。
メジャーデビューの裏側が分からない人は分からないままでいいと言いながら、場内のふわふわとした雰囲気を断ち切るかように、Deu氏の「このまま終われないよな~!」という掛け声からアニメチェンソーマンEDに起用された『DOGLAND』を披露。
私を含めた多くのファンが恐らくPEOPLE1を知る大きなきっかけとなったこの曲の盛り上がりは言うまでもないでしょう。
アンコール
メンバーの名前や手拍子、「アンコール」という掛け声など様々な声や音が響く中、再度メンバーが登場しました。お手洗いへ行ったというTakeuchi氏は遅れての登場。
その後の流れから、疲れただろうから座るようにと観客に声をかけるあたりも、なんとも自由で肩の力を抜いて対峙できる優しさがある、このバンドを象徴する出来事だったように感じました。
ファンの寄せ書きが集められた大弾幕をマントのように身にまとい登場したTakeuchi氏。
どんな形であれ、アンコールを求めてくれるのは嬉しいと、そんな彼はアンコールの形においてもどこまでも自由さを肯定してくれていました。
その後はメンバー、サポートメンバー、きのぽっぽを含め写真撮影が行われ、「PEOPLE1の思い出作り」の1ページがこうして刻まれました。
そして、メンバーだけがステージに残り、一人一人がライブに対する思いや感想を口にする時間へ。
まず、ドラムのTakeuchi氏は早々に涙をこられきれない様子で熱い男泣き。本当に愛に溢れた真っ直ぐな人柄なんだろうと思わせるその涙と、「頑張ってきてよかった!」と声を出して笑い泣きする様子に思わず親心のような気持ちを抱きました。
そしてそんなTakeuchi氏の後ろに回り、優しく肩を抱き寄せるItoさん。その姿にも愛が溢れており、客席からは拍手や歓声が上がりました。
Itoさんは「この後喋るのはちょっとなぁ」と場を和ませつつ、こうしてアリーナという大きな舞台に立つことができたこの日を「偶然の連続」と表現した。
そんな謙虚さが彼の1歩引いてPEOPLE1を見守るような、陰ながら底上げしているような立ち振る舞いにも現れていると感じました。
また、「一昨年にはサラリーマンを辞めた」と語り、多忙なスケジュールの中で社会人としても生活をしていた苦労は想像もつかないが、きっと真面目で誠実な性格なのだろうと思いました。
そして、辞める決断をしてPEOPLE1一筋の道を歩むことが大きな転機となり、その覚悟が道標となってたどり着いたこの2daysだったでしょう。
そして、Deu氏は歌ったり歌詞を覚えてくれたり、ファンへの感謝の気持ちを口にしつつ、「アリーナをめざしてやってきたようなバンドではないものの」と、その規模に囚われることなく純粋に音楽に打ち込むという彼の姿勢が発言から滲んでいました。
だからこそこれからもきっとPEOPLE1の方向性は変わらないだろうし、変わったとしてもそれはきっと良い変化として現れるものだと確信できました。
コピパンという原点回帰
「ここからは数曲駆け抜けて終わります」と宣言したのち、「カバーやります!世界一好きな曲!クレイジークレーマー!」というDeu氏の声からandymoriの『クレイジークレーマー』が披露されました。
若輩者の私は、正直なところこの曲の本家を知らなかったのですが、ソノダマンさん(一般の方ながら数々のライブに足を運び、生粋の音楽好きとして知られている方)のライブレポを拝読し、そんな背景があるのかと恥ずかしながら驚嘆しました。
アウトロでDeu氏が「もう世の中に言いたいことは何一つありません」と口にしたのもまさしく、本家andymoriのコピーであり、愛とリスペクト以外の何物でもなかったのだなと。
帰宅後に拝読したソノダマンさんのライブレポでは、この次に披露される『高円寺にて』もandymoriにルーツがある曲なのだろうというところまで言及されていた。
本当に凄い知識量と音楽への熱量には脱帽です。
アンコールでは『クレイジークレーマー』『高円寺にて』『イマジネーションは尽きない』と宣言通りにメンバーだけで連続でかき鳴らし、拍手や歓声に包まれながらメンバーが退場して終幕。
PEOPLE1の歩みは止まらない
私自身PEOPLE1の初ワンマンだったが、PEOPLE1の更なる飛躍に向けた通過点の一立会人となることができ、PEOPLE1らしい音楽がこれからも聴けるのであろうと確信できるライブでした。
終演後には2024年12月21.22日に有明アリーナにて【PEOPLE1の世界】が開催されることが映像告知され、歓声と拍手に包まれました。
こうして幕を閉じた2日間のアリーナ特別公演は、残念ながら一日目に立ち会うことは出来ませんでしたが、SNS上で見かけるファンによる感想やメンバーのコメントからも素晴らしいものであったことがお分かりいただけることでしょう。
最後列にもかかわらず、スタッフさんの配慮により、銀テープもゲットすることができて感無量です。
セットリスト
- 新訳:フロップニク
- さよならミュージック
- ドキドキする
- エッジワース・カイパーベルト
- 魔法の歌
- GOLD
- Deadstock feat.きのぽっぽ
- 新訳:東京
- 銃の部品
- Ratpark
- 怪獣
- ハートブレイク・ダンスミュージック
- アイワナビーフリー
- 鈴々
- 新訳:スクール!!
- closer
- 僕の心
- DOGLAND
―アンコール― - クレイジークレーマー(andymoriのcover)
- 高円寺にて
- イマジネーションは尽きない
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